blog index

一日一喝

20で神童30で才子
40過ぎればヤバいひと
総来訪者
本日昨日
<< 少子化問題はリスクかアベレージか | main | センター試験とルールの悪用 >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| スポンサードリンク | - | | - | - |
少子化問題は斬るより刻め
 なんか爆発的PV(当社比)ですね。よーしパパ乗っちゃうぞ。
 年末年始はよせばいいのに「図説 ローマ帝国衰亡史」(エドワード・ギボン、東京書籍)なんか読んでいた並河です。「ローマ帝国衰亡史」(ちくま学芸文庫)の1巻だけ読んであんまり長くて話が進まないので全一巻のダイジェスト版に逃げてしまったわけですが。
 フルテキスト版には、ダイジェスト版にない記述がやっぱりあります。ローマ帝国の建造物は裕福な個人が寄付したものが多かったんだそうですね(100-105ページ)。ローマ市民は長いこと(もともとは兵役につくことを前提に)直接税を免ぜられていたそうですから(「図説」p.209)、金持ちは累進課税部分がないわけで、なにか買ってやろうという気にもなりますよね。
 私はローマ帝国の財政なんか勉強したこともないわけですが、どうもこの制度だと、記念碑になりやすいハコモノに金持ちの寄進は集中するだろうと思うのですね。教育みたいなソフトウェアには資金が及ばないと。一般市民に浴場を提供して教育機関を提供しなかったのは、長期的に見てまずかったかもしれません。閑話休題。

 市場がグローバル化すると、地域と地域の競争が生じます。例えばデータベースへの膨大な打ち込みを、それが英語版であれば発展途上国に外注する、などということはだいぶ昔からあるようです。日本の企業に育児関連で重い負担をかければ、仕事が丸ごと外国に逃げます。IP電話でサポセンを海外に置くとかね。いや冗談ではなく。もう日本はシンガポールとのFTA協定が発効し、メキシコと合意し、フィリピンとも昨年11月「大筋合意」に達しましたから、後戻りも出来ません。個人より企業のほうがドライに動けますからね。大きな負担をかけるなら正社員個人にかけるか(そうすると個人も逃げるかも)、消費税の抜本大増税で海外製品と国内製品に同率の税をかけるしかないでしょう。
 企業が正社員を雇ったとき重い負担をかけると、企業は派遣社員などで割安な労働力を使ったり、人を雇わずに(低賃金の会社から)中間製品を買ったり、極端なときは分社化によって労働条件の差を処理したりします。絵に描いたようなディストーション(税負担が特定の財に偏ることによる、生産や消費のゆがみ)です。いろんな人が御指摘のように、企業に大きな一律負担を強いるのは、企業側の自衛が更なるディストーションを生み、かえってお母さんやお父さんを苦しめるんじゃないかと思います。
 企業に何かさせるなら、手を上げてもらうことですね。社員の子供と一緒に育ちます、とかうまいことを言って社員支援策を社会へのアピールにするような企業に補助金を出すと。あるいは補助金の代わりに、小泉メールマガジンに広告を載せる特権を与えるとか、NHKで広告を打つ権利を与えるとか、何年か続けたら紺綬褒章の推薦権を与えるとか。そんな企業はそうそうないでしょうから、残り全部の企業に薄く広く負担をかぶせればいいでしょう。実際、地域によって保育園など周囲の事情は違うわけで、同じ区内でもあっちは空いててこっちは列が出来てて、ということがままあります。企業の立地によって、やりたくてもどうしようもないとか、やっても社員が乗ってこないとか、いろいろあるでしょう。

「少子化問題」は「環境問題」のように、大きすぎて「解決」するわけのないトピックスだと思うのですね。その中から問題を切り分けて、特定のタイプの少子化問題を和らげるために、できることを考えてゆかないと。
 あと、誰かのサイトで民主党の蓮舫が「結婚してない女性に対してと、結婚して1人子どもを産んだ女性に対してでは、取るべき少子化対策は違う」てなことを発言していた、というのを見たな。

 みたいに。うちも子供はひとりですけど、ひとりを育てる間にいろいろ無理をするわけです。周囲にどんどん借りを作る。自分の時間や機会も削る。そのトータルを見て、ああこれを繰り返すのは保たないなと。いま子供が中学年になって、どんどん暇が自分の手に戻ってきて、私はここにいるわけで。「子供が小さいうちは、仮の人生を生きてるようなもんだ」と先輩教授がおっしゃってましたね。そういう、時間を惜しんでタクシーに乗ってしまうタイプの人は、月額1万円の手当てでは釣られないでしょう。むしろ例えば深夜病児保育にまつわるリスク分担ルールを法制化して、公的なサービスを提供するほうが効果はあるでしょう。利用者からはそれなりの負担金をふんだくればよろしいのです。病児保育は誰もが必要性を感じていますが、何かあったときが大変なので、新エンゼルプランでは比較的リスクの少ない「回復期」の乳幼児を預かる試みが盛り込まれています。
 なんか長くなったのでとりあえずここまで。
| 並河 永 | 時事・議論 | 22:08 | comments(2) | trackbacks(4) |
スポンサーサイト
| スポンサードリンク | - | 22:08 | - | - |
コメント
リクエストにお答え頂きありがとうございます。

>企業に何かさせるなら、手を上げてもらうこと

お見事っ!て感じで卓見だと思います。
そうなんですよ。少子化のクリティカルな要因を突き止める事が出来ないのであれば、1ヶ所に強力な圧を加えるのではなくて、複数ヶ所に幅広く弱く力を加えていくのが王道だと思うんですよね。それもあってうちの主張はシルバー世代を持ち出してみたんですが。赤子と銀爺婆の両王手で。

NHKにCMは、視聴率下がってきてるから微妙な気がしますが(笑)でもインパクトはあるでしょうね。

育児手当てや環境なんかも含めて項目立てにして、ISO(今14000でしたっけ?)の様な企業目標を作って「準拠!」とか威張らせたりするのが自然なやり方ですかね。
| ぎょろ | 2005/01/12 11:13 PM |
管理者の承認待ちコメントです。
| - | 2008/07/21 12:43 AM |
コメントする


この記事のトラックバックURL
http://hnami.jugem.cc/trackback/120
少子化問題言論俯瞰その2。
つー訳で日本時間の只今、晩飯を食い終わりましたので、早速まとめエントリーを行いた...
| ぎょろぐ。 | 2005/01/21 3:03 AM |
少子化問題言論俯瞰その2。
つー訳で日本時間の只今、晩飯を食い終わりましたので、早速まとめエントリーを行いた...
| ぎょろぐ。 | 2005/01/21 3:04 AM |
[書評]最後の努力 res gestae populi romani XIII
この物語を読んで、デジャヴュを感じた。ここで語られる物語はとても1700年前のこ
| HPO:個人的な意見 ココログ版 | 2005/01/21 9:36 AM |
[その他]並河さんへの情報提供
ある程度の対策は、既に取られているわけでして。 [http://hnami.jugem.cc/?eid=120:title] 「企業に何かさせるなら、手を上げてもらうことですね。」とあるが、[http://familyfriendly.jp/index.php:title=ファミリーフレンドリー]な企業をおだてる制度は既にある([ht
| お金について考えたこと | 2005/01/23 9:58 PM |
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< September 2017 >>

bolg index このページの先頭へ