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時間割をめぐって-いま教授会で
 経済学部の時間割と単位の取り方について、教授会でいくつか議論になっています。たぶん秘密ではないであろう点について、いまどんな話になっているかを書きますが、実施時点で全然違っていたらごめんなさい。「開講科目」は晩秋のうちに決まりますが、時間割は壮絶な交渉を経て2月、ときには3月になってやっと決まるものなのです。
 たぶん学生の皆さんにとって最も関心が高いのは、「開講科目を削りすぎました問題」。今年度から旧カリキュラム科目が一掃され、現行カリキュラムの科目だけになったわけですが、それがうまく散らばらず、裏番組の立っていない時間帯や、事実上空白の時間帯が出来てしまいました。
 これにはいくつか事情があります。我々は社会人を主な対象とする大学院を持っているので、土日に入試をやったり最終試験をやったり、しょっちゅう勤務の必要が出ます。この分は代休がないと労働基準法上マズイのです。マズイというか、超勤手当を払えばマズくはないのだと思いますが、全予算に占める人件費比率が軽く80%を超えている埼玉大学で、はいそうですかと手当てを増やすわけには行かないのです。となると、平日に「授業のない日」をいくらか作っておかなければなりません。ちょっとだけ会議、ちょっとだけ授業でも1日ってのはおかしいんじゃないの、と思う人も多いでしょうが、どうも法律ではそれでも1日になってしまうようです。週40時間労働を7日に振り分けて休日なし、というのはダメと。
 火曜には定期的に教授会がありますから、この日は勤務する日に含めるしかありません。のこり2日くらいに講義を散らし、2日は代休を出せるように空けておけばオッケーなわけですが、これがなかなかうまく散らばりません。新カリキュラムに移行する際、架空の時間割を作って、問題のおきそうにない時間割が組めることはチェックしているのですが、現実の人の都合を聞き始めると、その理屈どおりに行かなかったわけです。
 いろいろな大学で経営が厳しくなり、非常勤講師の職がなくなっていることがときどき新聞などに載りますが、経済学部で今起こっていることはそれとあまり関係がありません。プレゼミを新たに必修にしてたくさん開設し、だいたいそれと見合うように普通の講義数を整理したのですが、これが想定外の時間割を作ってしまいました。
 この問題については、現行科目を思い切って再配置すること、科目は未定ですがとにかく講義本数を増やすことの両面から協議中です。来年度から昼の講義全体のスケジュールが20分ずつ繰り下がり、9時開始となります(夜は6時開始で現行どおり)が、1コマ目の活用についても思い切った方針が打ち出されています。

 さて、広い意味で時間割に関係するもうひとつの問題は、みなさんが早く単位を取りすぎること。3年生前期までにあらかた卒業単位を取り終わる人が、ちょっと多すぎるのです。
 なんで単位を早くそろえるのが(大学にとって)マズイかというと、それは「単位制度の実質化」というキーワードに関係します。大学の1単位は、講義・予習復習を含めて、45時間の勉強に対して与えるのが原則です。
 大学設置基準第二十一条
 これを現実の大学は、予習復習に30時間使っているはずだから、あと15時間の講義でいいよね、ということにしているわけです。45分で1校時、2校時を半年で2単位、という科目が多いでしょう? 実習などで「予習復習」という理屈が立たない科目には、同じ時間やっても単位数の少ないものもあります。
 1年のうちで休業期間を除くと、だいたい31週。これに4を掛けて、卒業必要単位は124単位。4年かかる勉強を4年でやる、というタテマエの上に大学は成り立っています。1年で50単位も60単位も取れるというのは、睡眠時間を削って勉強している、というふうには世間は見てくれません。単位認定がナアナアでユルイんじゃないのと。45時間分の勉強をさせていないんじゃないのと。そう世間は見るかもしれません。少なくとも、かつてそういう大学審議会答申が出たことがあって、大学を評価する人たちはみんなそれを頭に置いているのです。
 もちろん、それじゃあ年間取得単位の上限を31にすれば解決か(今の経済学部は26×2=52)というと、昨今の就職事情はそれを許しません。講義のひとつひとつは、45時間の学修をきっちり確保すべく、欠席すると響くようなきめ細かい評価が求められています。どこかで妥協点を見つけるしかないのです。
 半期ごとに皆さんの時間を取ってやっていただいている授業評価アンケートですが、学年平均をとると、1年生の評価が一番低いのです。この程度のことは学内で平積みになっているアンケート結果のまとめ冊子からも読み取れます。2年生になると「大学ってこんなものか」とあきらめてしまうとか、いろいろな解釈が出来るところです。「お金を払ってるんだからその分のサービスを提供しろ」という思いが、1年生は一番強い、ということなのかもしれません。それはまったく正当なことです。ただ、大学がスポンサー(出資比率の順では第一に政府、第二に皆さんの親)から頼まれていることは、皆さんに便利に学位を与える、ということとは、どうも違うようです。
 1日出てきたら取れるだけ取っていけるのがいい時間割、と皆さんは思うかもしれません。しかし、そんなにギュウギュウな時間割で集中しきれるの、課題をこなしきれるの、と私たちは問い返したいし、問い返すに足るような講義にしていきたいと思います。「皆さんに何を持たせて大学を出すか」が、じつは問題の焦点なのです。
| 並河 永 | 大学教育2006 | 18:40 | comments(0) | trackbacks(0) |
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